戦争が生んだ怪異としてのゴジラと、そこから一抜けする主人公。
戦争に取られた魂の数だけ細胞が再生するんじゃないかと思わせるこの世の理を超えた存在を、海に沈めたり浮かせたりしてなんとかしようとするのはアワアワのオマージュをやりたいにしてもちょっと滑稽だし安直では。人災でもあるゴジラを撃退しようとする時にあるべき葛藤がない。
ゴジラにちゃんと対峙する役目は主人公に任せられるわけだけど、そこもあんまりしっくりこなかった。
全体的にコテコテの映画演出というか、たぶん山田監督の映画が苦手なのもある。
泳ぐゴジラと最後に熱線を吐こうとするゴジラの描写は凄い。