Scratchy

セザールのScratchyのレビュー・感想・評価

セザール(1936年製作の映画)
5.0
前作から幾年経って聖人みたいになってるパニス。葬列でサイズの合わない山高帽とか帽子の中に石の悪戯とか相変わらずコメディリリーフなセザールの店に集まってくるアイツらの空席に配られるカードと想像しながらやり進める死人のマニラ。ブシェミみたいなブランはじめ愛着湧いちゃってるからたまんない。立派に士官学校に通ってるファニーの息子セザリオの本当の父親がマリウスだって知らされてからの嫌味ったらしい口の利き方が実父そっくり。父もファニーも息子も失ったマリウスはしっかり工場経営してて、そこに素性を明かさず父を見極めに行くセザリオ。僕が息子だって打ち明けるとこ何気ないけどここもいい。家庭の光景に乗り込みマリウスの悪い評判まったく信じないで変わらぬ愛を保ち続けるファニーにも憎まれ口のマリウス再びだけど幾重にも重なるすれ違いの結びがこれ。愛はあっても届かなかった悲恋に父と子の悲劇。だからセザリオからの伝言届けるセザールんとこでもー涙止まんない。首にねじったハンカチーフ巻いたバーテンのマリウスと貝殻売りのファニーがフラッシュバックして余計に。
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