絵里

怪物の絵里のネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「穿った見方」がキーワード
「怪物」「豚の脳」は心をざわっとさせるフックのような 観終わって思うと言い過ぎ、演出しすぎで不穏な気持ちににさせられていたことが嫌だった
映画館じゃないと集中できなかったと思う

是枝監督らしい映像
あと重要な場面は直接的な描写をしないんだなと思った すべてを説明し過ぎないというか
母親の対応もだし、土砂崩れもだし、火をつけるシーンもない 意図があるのかな
ただ泥の窓のシーンは素敵だった
気になったのはリアリティの点
芸術性のある映画にするとなると難しいのかな
火災のビルが見えるメゾネットタイプのマンション?クリーニング屋の仕事で2人を養えるわけがないしかも車持ち、安藤サクラのシングルマザー感のなさ、もっと空きがあって色気があって泥臭い
母の幼さが序盤に強調されていたのはなんでだったんだろう 「白線から出たら地獄」「(消防車に)がんばれー!」とか理由に気付なかった
あと子どもがあんなバスの内装にするのはあり得ないのよ ただオマージュ銀河鉄道の夜かしら
子ども2人で遊ぶのも周りの子に必ずバレる
なぜ諏訪にしたのか知りたいな(是枝監督にとっては諏訪湖が怪物に見えたとのこと)

坂元裕二×子どもはあんまりよくない
子どもは絶対に絶対にこんなこと言わないんだよ
私は坂元裕二のビターな恋愛ドラマが好きなんだ「いつかこの恋を思い出して・・・」みたいな そこにも登場した高畑充希はやはり最高の女優さんの一人で坂元裕二の良さが生かされていたので坂元裕二は大人に台詞を言わせた方がいい高畑充希の足で脇腹をつつくシーンがとても良い

台風の大雨の中、叫んで謝る先生は坂元裕二が脚本を書くきっかけ(自分が加害者だと気付くのはとても難しい)を思い出した
俺は悪いことしてないよな、?と階段を駆けのぼって問い詰めて自分のことを被害者だと思い込んでいた先生が加害者でもあったことに気づいてなかったことを謝りたかったのかなクラクションを鳴らした過去の自分(=坂元裕二)からの懺悔かなと
これに関連してだけど、分かりやすく加害者が示されていたよね(暴力お父さん、クラスでいじめる子どもたち)ただ主観的に見れば自分以外はみな怪物で、2人にとっては2人以外が怪物だったと

生まれ変わりについてあまり分からなかった
父親は何に生まれ変わったんだ?
2人の最後は"ありのまま 生まれ変わらなかった"

自分当てゲームのように他者からの描写でしか自分自身を規定できないけど、お互いを見てくれる


火事と怪物の叫び声(ホルントロンボーン)が2軸
絵里

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