このレビューはネタバレを含みます
良い作品だなぁ…。
病床の母を置いて、遠出して写真作品を見せに行ったショーン。その帰り道、母がもう持たないと連絡が入る。
今どこ？と問われ、車で3時間の距離だ と。
父や恋人と連絡を取りつつ、姉か妹か、家族にはあんたのせいで母が癌になったのだと罵倒され口論になる。
空が白み始め、早朝のラジオが流れる中それでも車を走らせていると、父からいよいよ最期だと電話が入る。
これは一度切りのチャンスだぞと言われ、作品を遠くの街まで運んだ→母は自分の夢を応援してくれていた→ラストに映される写真が恐らく母の肖像
という流れが見事。自分の夢を優先したのかな？と思いきや、毎日母と語り合ってその中で母の後押しを感じていた事、そしてラストシーン。ぐっと来る。
そして電話であんたのせいだと罵倒してきた妹？も、口論の中で看護師なのにもっと早く母の癌に気付くべきだったのに…と泣いてしまう。その事から目を逸らしたくてショーンに押し付けようとするのだけれど、ショーンは彼なりに母をとても大切にしていたし、妹の知らない母の事を話して言い負かしてしまうのだけれど、最後に電話で母を看取ったあと、自宅へ到着してすぐに雨の中車に乗り込んでくる。
毎日お母さんに電話したって言ってたよね？でも私に電話したことはない どうして？
と問う彼女に、
いつも母さんは君の話をしていたから
と返す。
この返しが見事だなぁ～と思った。そうであっても、そうじゃなくても、100点の回答だと思う。
いつか自分にもこんな時が来て、その時に自分はどこに居るんだろう。愛と感謝を伝えられるのかなぁ…。
って思うのと同時に、今元気にしている間に親孝行せねばな…と思う。
