痛々しい場面や不快に思う描写もあるので、嫌悪感を抱く人もいるだろう。これを選んでシアターに足を運ぶ人はある程度、傷つきたくて見に行っているのではないかとも思うけど。
ただの承認欲求の暴走じゃなくて、自意識がないから自己評価を他者や周囲に求めるしかなく、評価と注目を混同するのもおそらく生育環境に原因があるからだし、そういう子は自分の痛みに気付くことも出来なくて、ボーダーラインをやすやすと越える。私は、たまたま友だちにそういう子が多かったので、シグネというヒロインのことを、嫌悪することはできなかった。
ラストシーンでシグネが「痛いです」と語れるようになってたから、ホッとしたし「順調によくなるといいな」って友だちのように願った。
映画は、展開が足りないところもあったけど、ヒロインを無闇に貶めないところや、彼氏もお似合いなクズだったり、随所ユーモラスで、バランス感覚に優れていた点が好感。
