パンダまん

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのパンダまんのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

彼女に誘ってもらえて一緒に観に行きました。すごい映画に一緒に連れて行ってくれて感謝しかないです。

今回の咲太に焦点を当てた話は、咲太のこれまでのがんばりが見えて、がんばったが故に思春期症候群として、思いがけない潜在意識が、本来大切な人を無意識に遠のけるものとして現れました。最後は自分の無意識のうちに産まれた葛藤を認識し、素直に家族と向き合える様になりました。最後の病室のシーンは、咲太よくがんばったんだなって思うと涙がこぼれそうで、映画館の天井がいつもより見えました。

存在意義となっていた環境が変化した時、自分の価値が消失した様に感じて、存在が忘れられた感覚を覚えてしまった咲太。
何かを守りたかったり、逆境の状況で頑張れることはあるかもしれない。でも、その条件が消えた時に自分も消えてしまうのだろうかと、頑張る理由として依存しすぎるのもよくないと感じた。大切な人の幸せを思ってがんばった自分が、自分の存在理由となっていたそのがんばりを否定しないために、大切な人を無視する様になっていたという、咲太の、人と自分どちらも大切にしたいという矛盾した葛藤による、存在消失感を表した思春期症候群には刺さるものがあった。

青ブタは思春期の葛藤が出てくるが、しっかりしている咲太はその内側に隠された大人になることと特に家族に関する葛藤だった。
大人になることとは何かが語られ、描かれていた。
できなかった事がいつのまにか普通になり、状況に適応して生活を回せる様になることが大人になるということ。他の言い回しだったかもしれないけど納得して忘れてしまったから、一昨日見た時にメモしておけばよかった。

過去の関係を経て確立された麻衣さんと咲太の関係だからこそ、咲太の家族関係においてアイデンティティの問題で、麻衣さんの様に存在が消えそうになる場面でも、麻衣さんは完全に心の支えになっていて、絆に結ばれた信頼できる恋愛関係で素敵だなと思った。

咲太の家族への愛と彼女の麻衣さんとの温かい信頼関係が丁寧に描かれた良い映画を、大好きな彼女と一緒に見られたことは人生でも重要な時間だったと思う。

自分の無意識や葛藤からも目を背けずに向き合って、周りの大切な人に素直に向きあっていきたいなと感じた。
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