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インフィニティ・プールの小屋のネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 うーん、微妙!主人公のモラルが徐々に崩壊していく作品。暴力的なことが次々と起こり、それで罰を受けるのはクローンだから何やってもOK!と言うノリで物語が進行するのだが、あまりに淡々と進んでいくので正直退屈するギリギリのところだった。過激な描写が多くあったからなんとか耐え切れたと思う。
 まずクローンである必要性があるのかわからなかった。いや、でもクローンは物語にちゃんと組み込まれていて、うまく機能していると思う。ただ、「なんだかどこだかもよくわからない後進国」の「なんだかよくわからないクローン技術」である意味がわからないと言うか…。「なんだかよくわからないドラッグ」も気になったが、あまりに抽象化しすぎると、作品のもつ信頼性というようなものをふわふわ浮かしてしまうものなんだなぁと思った。そこに納得できなかったせいで、物語の後ろに作者が見えてしまって残念だった。
 まああとこの作品が、間違えのようのないくらい変態性がある作品なのは全員の意見が一致するところだと思う。そして普通の人々も、理由さえあれば(もしくはなければ)いくらでも凶暴になってしまえるということも。だが、それを一種のブルジョワジーのような奴らがやってるのをみても、全く自分ごとだと思えなかった。金持ちの奴らが一部では極端に暴力的であるってことは当たり前だと思う。まあムカつく描かれ方をしていたから、こいつら死ぬのかな〜ワクワクと期待していたのを裏切られたということも理由の一つにありそう。
 あと、こう今自分が映画の登場人物に対して思っているのも“特定の許された状況での暴力性”ではあり、そういう安全圏からの暴力というテーマは現代的で鋭いと思う。けどあんまし楽しくなかったんだからしゃーない!笑
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