ききき

ナルヴィクのきききのレビュー・感想・評価

ナルヴィク(2022年製作の映画)
4.5
まだ独ソ不可侵条約があり独ソ戦前のWW2が始まった時期ナチはスウェーデンの鉄鉱石が英国の渡ることを防ぎ独占するために海峡を塞ぐ目的でヴェーザー演習作戦を発動デンマークとノルウェーに侵攻した。
ノルウェーは縦に長く鉄鉱石の輸出は北部のナルヴィクからも行われていたのでナチはこの港を抑える為に侵攻した
ノルウェーホーコン7世が徹底抗戦を呼びかけた事でナチと戦闘状態に突入している時代背景

フランスが窮地に追い込まれる前だったので連合軍(仏・英・亡命ポーランド)と共同で一時的のナルヴィクを奪還解放した出来事をテーマにした映画。

ナルヴィク奪還後すぐにダンケルクなどで描かれるフランスの降伏とイギリスの大陸からの撤退があるのでナルヴィクもこの映画出来事のすぐ後にナチに最占領されてしまうわけなのだけれど…

と、日本人にとってはめちゃくちゃニッチな話だと思うし欧州映画にありがちな説明少なめなので背景知らないと行動の理由が分からない事もあるかもしれない。

その中でドイツ語ができた事で通訳として使われてた事がドイツと親密にして占領中に良い思いしていた裏切り者扱いを受ける者(実際戦後に市民による私刑が多発した)、目の前の家族と国民国家を天秤にかけさせられる者、大義の為に英雄的行動に走る者、生き残れた者、生き残れなかった者…
小国で戦争に巻き込まれた市民の葛藤や苦悩と共にドイツだけでなく英国も大国的振る舞いで小国の市民を自分たちの都合で使おうとする醜さが描かれていて大変良かった。

大義と愛。正義とは何か。当時の全体主義の時代では選べなかった人も多いだろうが、今の私達は自由であるが故にそれらが人によって異なる事を発見できるのではないかと思った。
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