さー

ナルヴィクのさーのレビュー・感想・評価

ナルヴィク(2022年製作の映画)
4.3
おやすみ前の1本💤
これはすごく大切な歴史学が詰まった作品でした。

第二次世界大戦下、中立を宣言していたノルウェーでしたが、時代が時代なもんで、そして場所も場所なもんで、"真の中立国"を保つことはやはり難しかったんだということがよーく分かる作品でした。

味方であるはずのイギリス軍は民間への総攻撃を仕掛けるし、一般人のはずの主人公の奥さんは気付けばスパイに。
終盤、ひと息つけるかと思ったところでご主人の帰還。
独りっきりで小さな息子を守りながら逃げ惑う日々はさぞ不安で怖かったろうに、ご主人はもう少し労ってやることは出来なかったのかと私は腹が立ちましたね。
ただここで面白かったのが、鑑賞している私たち夫婦の意見が真っ二つに分かれたこと。
私の旦那さんは「うーん…でも国のために戦争して、国を護るためにやっとの思いで帰還してアレやと、怒りたくなる気持ちもちょっと分かるかも」と。
「自分が死線を潜り抜けて帰った直後に知らされると受け入れ難いものがある」とのこと。
そう言われればそりゃそうだ!
ラストシーンのご主人「イギリス軍は味方で、戦争は人が死ぬんだ!」
奥さん「私達のことは守ってくれなかった!」涙ながらに伝えます。
おうちを爆破され、父親も殺されたんだもんね。
だけどね、奥さん。最前線から命からがら生還した夫に「こんなことなら還ってこない方がマシだった」これだけは言ったらあかんで。

どっちが正しいかなんて一切ない、夫婦間で真面目に戦争について語り合った夜になりました。
Netflix映画は本当にこういう系の作品に強いなぁと感じます。

133
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