樋口カツは再審開始を知らせる通知を受け取り、元妻スミコを訪ねる。二人は犯罪被害者遺族で、娘を殺されていた。弁護士佐藤は被告福田サナに「君を自由にし賠償金をとる」と話す。裁判は事実認定の不当についてのみ争われ、カツは証言台に立つことになる。
▶︎裁判の様子も被害者遺族の心情も浅くしか描かれていないのにストレスを感じたが、それは敢えての描き方かも知れない。
量刑について不当とのことで始まるが、逆に少年犯罪で20年の懲役は相当な犯罪で、そちらについての扱いが異様に軽く、その上動機不明とは現実に則してなさ過ぎで違和感だけが次第に募っていく展開だった。法廷を舞台にしてそれは無いだろうと思う。
カット数がやたらと多かったのも見辛くて、生じたリズムで軽く演出したのも気になった。不十分で汲み取り難くしたことで、こちら側に考えさせ様としているが、殊に法廷モノだと情報が不十分だと考えるに足りない。良くも悪くも軽薄な印象の作品。