げんき

赦しのげんきのレビュー・感想・評価

赦し(2022年製作の映画)
2.9
見なきゃよかったと後悔。
掘り下げが浅いから薄っぺらく感じるんだろうけど、じゃあどこまで何を盛り込めば観客は満足するのか。曖昧な理由で軽薄とダメ出しするのは簡単なので、自分なりに合わないと思った点を咀嚼してみる。

なによりこの映画全体を微妙にさせてる要素の1つは、台詞が台詞で終わってること。ちょっと感情込めた台本の読み合わせ程度の会話でしかない。
朗読の熱量が高い小学生みたいな。自分の台詞を発することには集中するけど、会話において相手の台詞を聞き終わったら、機械的に自らの役目を務めるがごとく喋りだす。
その違和感と、演技?の聞き取りづらさが不快感へと昇華されていく。

それと各キャラクターの感情が、言葉と行動でダダ漏れ。余白が無い、とでもいうか。この人は何に怒り悲しんでいるのか、どんな想いに固執しているのか、すべてが明白に提示され続け、しかもたいした変化が起きない。
それが観ている側として、あまりに説明過多でバカにされてる気がする。

と、あえて粗暴な言葉を使ってしまったが、特段嫌いだったわけでもない。裁判所前の格子状の道をあえて舗装された通りに回り道する心情とか、伝えないくせに「あなたは分からない」と言ってしまう、そんなあるあるが随所にあって、もはや1種の胸糞映画って気がしてきた。
げんき

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