おば

世界の終わりからのおばのネタバレレビュー・内容・結末

世界の終わりから(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

気になっていたSF映画。
観終わった余韻が結構引き摺ったのでだらだら記録(新幹線で移動をしながら…)


世界の終末を女の子が救う系映画かーと思ってたけど、ちょっと違うしなんなら何も解決はしてないし世界は終わる。。
でも多分救われたのは女の子のほうで、こんな世界に何の期待や希望もないので終わらせてしまったほうがいっそ楽、救われるということで、最初から答えは出ていたな、と。
だからユキちゃん(自分?)も最初から親を殺した侍たちを殺せば救われる、終わらせられる、と最初から決めていた…のだと思う。
最後のセリフで言ってたニュアンスの
この世界を愛したい、は自分のことなのかな。

あとはタケル君がすごく良い。
ハナに1番優しくて気にかけてくれている唯一の存在だけれど、ハナ本人はそれよりも自分のこれまでの不幸さが勝っていて孤独であることを凄い感じてるから存在の大切さにそこまで気づいてない、ようにも思う、この辺りが凄くリアル。
お前が望んだんだろ?(ってたぶん言ってなかったっけ…)って最後言って急に普通に歩き始めて…この辺がちょっと厨二心をくすぐる笑
ラギだったってことかな、タケル君は。
タケル前世のラギは目が見えなくて、現世では足が悪くて…何故そうある必要があるかは分からんけど。何かの代償?タケル自身にも何かあったのではないかと思ってしまった…深読みし過ぎか
他のキャラも過去と現在でリンクするシーンが多いし、輪廻士(師?)とかいるくらいだから輪廻転生はありそう


設定上無理があるだろ、とか、このキャラはなんだったの、、とか確かに言及するところはいくつかあれど
無限が言ってた、自分が夢だと思えばそうだしそうじゃないなら現実、って言葉で、
もしかしたら、ハナがあの例の出来事をきっかけに、夏木マリ(役名なんだっけ…)や江崎とか佐伯、などの登場人物を想像で創り出して
夢を見て過去改変、という能力?でどうにかして現在の自分にはならない、違う世界線を求めていたのかな、結果的にユキちゃんは侍を殺しまくって今の世界終末を受け入れて自分ではどうにも出来ないから最終的には未来の人に託す、なったら良いな、今の世界は夢であったらいいな、を望んで終わらせる(つまり夢オチ)という解釈だったとしたら、、と勝手に思ったのでめちゃ泣いた。
でもだとしたら、少し信頼のおけそうな護ってくれる江崎と佐伯が犠牲になってるのはうーんという感じだけど。。
でも本当の自分の夢でも自分が望んでない予想しない展開はあるから、夢、ということで全ての出来事が片付けられるよな、要は何でもアリ笑


ユキちゃんも言っていたけど
自分は悪いことしていないのに何故こんなに辛く苦しい、自分のやりたいこともやれない道をわざわざ歩んで生きていかなくてはならないのか。
辛いことばかりじゃないし死んじゃだめだよ、なんて頭で分かってても、環境がそうさせているのなら正直どうしようもなくて虚しい。
これが夢であって欲しい、という願い、で映画は終わった感があるので、答えがないから少しもやっとする感想が多いのかなと思った。
でも言いたいことは分からんでもないしそのもやっと感あるおかげで色んな読み取りができて私は面白かったけどな、、
冨永愛が演じる未来人が着てるスーツや佇まい、荒廃した地球(というか何もない)のシーンもカッコよかった…
漫画原作のような脚本だからもしあったら読みたいなーと終始思った


なんかエヴァ、デビルマンとか最近だとタコピーの原罪に近い世界観を感じたのでその辺好きな人は少しは刺さるのでは…
あと相対性理論の話をする物理の先生役で岩井俊二がしれっと出てくるのもミソ。ふ
おば

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