てつこてつ

終わらない週末のてつこてつのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.8
Netflixでも現在人気トップなのも理解できる、直接的なバイオレンス描写が全く登場しない異色のディストピア作品。アクション等ではなくドラマで見せるストーリー展開なので、この辺りは好き嫌い分かれるかも。

不可解な出来事が次々と起こり、アメリカで、はたまた世界中で一体全体何が起きているのか?・・がハッキリとは分からない不穏な雰囲気に包まれた作品の世界感は個人的には好み。

なかなかボリューミーな大作だが、5つのチャプターに分かれており、難解さは無い見やすい作りは、流石のNetflixオリジナル製作。

ジュリア・ロバーツ、マハーシャラ・アリ、イーサン・ホーク、ケヴィン・ベーコンといった大スターが揃っている分、製作費の大半がスター俳優のギャラで持っていかれたのか、作品自体に金がかかってる感はないけれど、台詞で話の展開を見せていく脚本や凝ったカメラワークで全くチープさを感じさせない。

但し、こういった大スターが出演している分、彼らの演技を見せる為の会話でのシーンが所々挟み込まれていて、そこをダルいと思う方もいるかもしれない。

個人的にも、Netflixオリジナル製作で同じようなテーマを扱った作品ではサンドラ・ブロック主演の「バード・ボックス」のような派手さや、もう少し作品全体に動きがあったほうが楽しめたとは思う。

また、最後のチャプターで明らかになる真相・・。脚本としては見事だが、これは、いかにもアメリカ的な発想で、同じ事態が起こったとしても日本で同じ状況になるとは思えず、個人的にはやや附に落ちなかった感。

主人公夫妻の長女が「フレンズ」の最終回を見る事に固執し、それに対する「今では存在しない世界を求めても意味がない」は好きな台詞。
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