アキヒロ

終わらない週末のアキヒロのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
4.3
終わらない週末と、終わりそうな終末。
おもしろすぎる!大好き!!!

禍々しい前兆が少しずつ起きていく描き方がとても丁寧で、
決定的な何かがあるわけじゃないのに恐ろしくて目が離せなくなる。
気付いたら2時間21分経ってて、正直ずっと見ていたかった。

ニューヨーク近郊に別荘を借りて休暇を過ごすことにした家族4人。
彼らの付近で次々と起こる不可思議な現象の数々…
まずはタンカーの座礁。
次に鹿が庭に現れ、夜に訪問者が……。

不穏な音楽とともに、不安を掻き立てられる描写が最高。
「一体何が起きているのか」を最後の最後まで明かさないやり方がよくて、浦沢直樹の『20世紀少年』や『モンスター』を思い出した。

庭に現れる鹿や鳥は「神の使い」で、アマンダだけが唯一彼らからの「警告」を受け取れる。
アマンダは『フレンズのエピソード』でこんな回があると言っていた。
ある男は、洪水が起こったとき、神に毎日祈り続けた。救助者が来たが、彼は救助を断った。ヘリが来ても彼は救助を断った。最後に彼は洪水に流され死に、天国で神に文句を言った。
「俺は毎日あなたに祈りを捧げたのに、なぜ助けてくれなかったんだ?」
すると神は言った。
「警告も出した。救助を二回もやった。なのになぜお前はそれをスルーしたんだ?」
アマンダは動物たちの「警告」に早くから気付いていた。
そしてその警告を受けて、導かれるようにソーンズ邸に辿り着く。

そして「ソーンズ」という屋敷(すなわちノアの方舟)を発見し、そこで舟に乗ることができた。
今思えば、「古屋の中で誰かがアマンダの部屋を見ていた」という伏線が回収されていないが、あれは誰が見ていたのか?
それは何か神聖な存在だったのかもしれない。

大御所たちの重厚な演技力もあって、大満足の作品だった。
アキヒロ

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