Hiro

ナイアド ~その決意は海を越える~のHiroのレビュー・感想・評価

4.2
「Nyad」
“全てのものはいつか死ぬのでしょう?それもあまりにも早く。それならば教えて。あなたは何をするつもりなの?一度しかないこの貴重で自由な人生で” メアリー・オリバー

思いがけず泣いてしまった。伝記映画はあまり得意じゃないのだけど、この映画は別。生きるエネルギーに満ち満ちていた。ナイアド、あなたは本当に凄い人だ。

彼女のことはTed talkを観たことがあったので、それとなく知っていましたが、こんなにも壮絶で命を賭けた挑戦をしているとは思ってもいなかった。遠泳の人なんだな、ぐらいにしか思っていなかった自分が恥ずかしいです。

アネット・ベニング、是非この作品でアカデミー賞主演女優賞を取ってもらいたい…!それくらいの演技でした。この作品に賭ける気概というか、覚悟を感じた。撮影時間だけでも、相当な遠泳量だったのでは。
ただ個人的にはジョディ・フォスターがカッコ良すぎて…。なんだあのカッコ良さは。歳を重ねて、ああいう大人になりたいと切に思いました。

泳ぐ。ただそれだけの事だし、意味があるかと問われれば、無いと言えてもしまう彼女の挑戦。無謀、無茶、無意味、そんな言葉をきっと何回も言われたんだろう。それでも「泳ぎたい」と思う彼女の意志の強さは尊敬に値するし、正直海の中での彼女には狂気すら感じた。偉業を成し遂げる人は皆等しく、どこかに必ず狂気を宿すものなのかもしれない。

彼女の伝記を基にしているからか、無理に感動させようとする演出が無いのが、却って凄く良かった。淡々と、彼女の挑戦を追うドキュメンタリーの様でありながら、最後は泣かされてしまった。

エンドロールもめちゃくちゃ良かったです。アメリカ横断もしてたのねナイアド…恐ろしい人だ。そして、ナイアドとボニーの関係性が何よりも素敵。親友を超えて、家族なんだろうなぁ。30歳に出会ったっていうのもまた素敵。

ぼんやりとも生きていけるし、そういう生き方も決して悪くは無いけど、心を燃やす瞬間を作りたいと、そんなことを思ったりもしました。とりあえず私は運動することから始めてみるかな…
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