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ニモーナのakihiko810のレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
4.8
アメリカのアニメ映画。

騎士の血筋ではなく、平民から騎士になったバリスター。なんと女王殺しの濡れ衣を着せられてしまったバリスターだが、彼の前に現れたのは、唯一彼の無実を証明する手助けができる、変幻自在の能力を持った少女ニモーナ。しかしニモーナは、もしかしたら騎士たちが殺すと誓ったモンスターなのかもしれないのだった…。

恥ずかしながら、ノーチェックだったのだが、Filmarksで高評価だったので観てみた。…そしたらいやー、マジでブチ上げの超特大大傑作娯楽アクション映画じゃないですか!
これだけの大傑作映画が、なぜ大して話題になってないのか…まじで謎。配信だけだから??この作品が知られないのは、まじでもったいない!

ということで、この作品を褒めちぎりたい。
まず、当たり前にあるLGBT要素。不自然じゃなく、「当たり前に存在している」ところがまさに新世代の作品ゆえだろう。
そして、高いレベルのアクションとコメディ。さすがアメリカ産娯楽アニメといったところで、本当に愉快に動くわ、動く。脚本も練りに練られていて「娯楽大作」であるという芯を外さない。
そして、娯楽作でありながらの、メッセージ性の純度の高さが素晴らしい。平民出身なのに騎士になったバリスター。モンスターで、本当は孤独だった二モーナ。そんな「ハズレものたち(異物)」のバディものである。当初は「ハズレものたち」だからこその連携であったが、次第に二人は「相棒」になっていった。そこにあるのは、出自や主張にかかわらずお互いを認め合うという、「<多様性>の真のあり方」なのだ。

本作を観ずにすましてしまうのはかなりもったいない。ネトフリ加入してるなら、本当に「絶対に見るべき」と言える作品であった。
娯楽大作にこれだけのメッセージ性を込めた、製作者たちに盛大な賞賛を送りたい。
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