映画史上、最も切ないラストシーン。
一言の台詞に、辿ってきた道筋のすべてが集約される見事さ、
加えて題『The Quiet Girl』であることが傑出した「もののあはれ」をもたらす
成人してからハイジを3周した私は早々に「これはハイジだな」
と感じていた、矢先「ハイジ」の描出が劇中で2回、
本作が本歌取りであることを示しコットとの比較を促す演出。
大人版ハイジということはすなわち、
コットは山でおじいさんと自由に暮らすことはできないのです。
大人向けの〈現実〉において、
道理を捻じ曲げて「行きたい」「よし引き取ったる」
は成立しないので、ますます最後の一言が常軌を逸して哀しいんです