第36回東京国際映画祭コンペティション部門
サンダンス映画祭で観客賞、脚本賞をW受賞した作品。コンペでは唯一のアメリカ映画。
完全に商業映画だねこれは。それはそれで悪くないんだけど。なるほどサンダンスでの評価は理解できる。個人的にはイラン版『エブエブ』だと感じた。
ミュージカル風演出も思いのほか自然でよかったし、テンポもいい。
ただ、中盤がやや中だるみ。過去篇をもう少し短くして、現在の方をもっと描いてくれ。
また、倫理的に納得できないご都合主義も目立つ。母と子の和解も結局「母性」で解決してしまうし、父親(母も子も)問題は何も解決していないで終わってしまう。レズビアンなのにたまたまやっちゃった男をなんとなく受け入れて終わるのってなんかモヤモヤする。
間違いなくいい映画ではあるんだが、消化不良な部分が露呈してしまっているのが残念。サンダンスが好きそうな分かりやすい映画ではある。嫌いじゃないんだけどね。