mofa

もしかしたら私たちは別れたかもしれないのmofaのレビュー・感想・評価

3.0
なんというか、辛口の大人のラブストーリーという感じです。
ほんわか・・・癒し系の恋愛映画からは、
程遠い、
リアルで、痛々しい作品だと思います。
 でも、そういう事ってよくある事で、
そういう事を、
こうして1本の作品に出来てしまう事が、
凄いなぁ・・・って思う。
そして、どんな恋愛にも、
それぞれのドラマがあるんだって。
恋愛って面白いって、再確認させてくれます。

 口先だけで、何事も中途半端な男を、
イ・ドンフィ様演じてます。
多分、こういう役をやらせたら、
右に出る者はいないと思う。
 おるおる!こんなヤツ~って思いながら、最後まで観てました。

なかなか、
評価は難しい作品のような気はします。
女性には刺さるような気がするけど、
男性にはどうだろう。
 最後までリアルで、
だからこそ、何も残らない・・・
という難点がありますが、
こういう作品もたまには、
いいんじゃないでしょうか。


☆以下、ネタバレです☆
要するに、長年の恋人同士から、知り合い、
知り合いから他人へという過程を描いているんですよね。
その過程が、本当にリアルです。
 
もう、ダメダメ男のジュノを、
イ・ドンフィがまぁ、
本当に上手だし。
 ジュノとの生活に
疲れ果ててる感じのアヨンを、
チョン・ウンチェ様が、
諦めと疲弊を含んだアンニュイな美しさで
演じているワケなんです。

 ジュノは、本当にダメな男で、
口先だけいい事を言って、
ヒモみたいな生活をしているし。
 
でも、やっぱり、そういうジュノをアヨンは愛してたと思うんです。
夜、寝る時に、
ジュノの背中を見つめるアヨンが、
めちゃくちゃ切なかったんです。
 きっと、セックスレスでも
あったんだと思う(想像)
ジュノは、完全にアヨンに
もう恋をしていなかったし、
彼女といると楽だから
一緒にいたと思うんですよね。

でも、アヨンは、やっぱりジュノが好きで、
求めて欲しかったと思う。
 だから、
あんな男を支えてきたんだと思う。
自分を犠牲にしてね。

でも、もう、そういうのに
疲れてしまったんだろうね・・・
彼女自身も、自分の態度が、
より関係を険悪にしてるってのも
分かってて。
 悪循環を断ち切る、
その瞬間がやってきただけの事なんです。

別れて、それぞれが新たな人と出会って、
ジュノも変わったように見えるけど。
 結局「俺は、待つな・・と言ったのに・・」と、
お前が勝手に支えていただけだろう??
みたいな言い方に、
この男は変わらん!!と思った次第でした。
 そういう所も、妙にリアルで、
唸ってしまった。

あの時、何故、
アヨンがジュノと会いたがったのか。
アヨンは、ジュノがどういう人間だったか確認したかったのかな??って。
新しい男にも裏切られて、
心がすさんでしまった時に、
やっぱり思い起こすジュノの存在を、
もう一度、
確認したかったんじゃないのかな。
 離れたいた間の期間、
変わらないジュノと、
変わったアヨンの、対比が面白かったですね。

その後の、最後のシーン。
完全に「他人」となったアヨン。
まだ「繋がりがある」と思っているジュノ。
なかなか、痛快でしたね。

 けれど、正解なんてないワケです。
アヨンが、画家として成功してるけど、
何故か孤独に見えたり、
変わらないジュノが、
悲壮だとも思えない。
 それが、また、
どこまでも現実的なんだと思う。

イ・ドンフィ様はやっぱり
素晴らしいですよね。
ダメダメ男なのに、
過去のシーンが一瞬出てきただけで、
ダメダメでない男の一面を印象付ける。
 楽しくて、面白くて、魅力的な一面がね。
そういう片鱗が、
恋愛の難しさをより感じさせてくれるよね。
ジュノは、アヨンを愛してるからこそ、
幸せにしたいから、
身の丈に合わない公務員試験に挑んだんじゃないかな~とか。
 でも、やっぱり上手くいかなくて・・・。
彼の中にも「アヨンの為に・・」という気持ちがあるから、
自分がしたいワケじゃないのに・・
という気持ちが奥深くにあったんだと思うんですよね。

・・・・そういう事を互いに知り、ヨリを戻すっていう映画なら、
それはそれで良かったと思うけどねぇ。
恋愛映画は、とにかく、ハッピーエンドでお願いしたい(笑)

それはそうと、ジュノの後輩がすっごく良い人だったし。
「寂しいからって、アヨンに電話するなよ~。
電話するなら俺にしろ~」とか、
自分の店でバイトさせて、給料上乗せとか。
優し過ぎる。
こんな友人のためにも、ジュノは頑張るべきだ!
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