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Smoke Sauna Sisterhood(原題)のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

Smoke Sauna Sisterhood(原題)(2023年製作の映画)
3.0
【懺悔室としてのサウナ】
無形文化遺産に登録されたエストニアのスモークサウナを扱ったドキュメンタリー。CPH:DOXで観逃していたのだが、MUBIに来ていたので観た。

日本においてサウナというと、ビジネスマッチョがこぞって入って我慢比べしているような偏見がある。しかし、サウナの本場ではどうやら異なる使われ方をしているようだ。それは、以前観た『サウナのあるところ』もそうだが懺悔室のような使われ方をしている。

寒々しいエストニアの地、そこに灯される温もり。その中で女性たちが自分の肉体や家族の悩みといったものを汗と共に洗い流していく。映画は、そんな女性たちをスピリチュアルに捉えていく。冷たく過酷な場所から解放されるとカタルシスが起きるといった感覚なんだろう。日本の場合、サウナに入る行為はわざわざ快適な空間から過酷な空間へ入ることだが、北欧圏になるとそれが反対となり、浄化の中で自分の内に秘めていたものも現出するのだろう。

文化ドキュメンタリーとして面白い知見をもたらす作品であった。
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