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夜明けのすべてのkのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
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映画を観ているというより、山添くんと藤沢さんの日常を覗き見させてもらっているような感覚になる映画で、登場人物皆が温かくて愛おしかった。
大きなアクションや変化があるわけでは無いのに、飽きない、観終わったあとに心が温かくなる作品だった。
全員の演技がリアルで、素を見ているようで、そんな風に思えてしまう演技力が素晴らしかった。
北斗くんの発作の演技はリアルで凄かった。沢山勉強して研究したんだろうなあ、、発作時の過呼吸や普段の息遣いも本当にこんな感じ。(凄い)
PMSに関しては原作を読んだ時に初めて調べたくらいの乏しい知識しか無かったけれど、萌音ちゃんの段々イライラしていくちょっとした表情の変化も凄かった。
「夜明け前が一番暗い」山添くんや藤沢さんがゆっくりでも夜明けに向かっていくと良いな、と感じた。少しだけ救われる言葉。
山添くんが藤沢さんからもらった自転車で藤沢さんのお家に忘れ物を届けに行くシーンで、太陽の光が綺麗に差し込んでいて、山添くんの考える明るい方に温かい方に進んでいけば良いなと思った。
パニック障害になって良かったことってある?という会話で、あるわけない と答えた山添くん。なって分かったことや気付きはあっても、パニック障害になって良かったことなんて無い。でも生きていかなくちゃいけないし、グズグズしてるわけにいかない。(藤沢さんの台詞)
ドラマ「パーフェクトワールド」の北斗くん演じる晴人の台詞「障害乗り越えるとか、受け入れるとか、無理なんだって。」「皆平気じゃないけど、平気なフリして生きてるだけなんだって。」を思い出した。
舞台挨拶で萌音ちゃんが言っていたようにPMS(だけでなく、それぞれの抱えているもの)を言いたい人に言えるようになれば〜と思うし、そのきっかけになる力がある映画だった。
観終わった今でも山添くんと藤沢さんがどこかにいるんだな〜と思うし、山添くんと藤沢さんがそれぞれのやり方でそれぞれの夜明けに向かっていてくれたら、とも思うし、私も山添くんと藤沢さんのことを思い出して救われたいと思った。
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