YLxx

Avalon アヴァロンのYLxxのレビュー・感想・評価

Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)
4.2
例え理想郷であったとしてもルーツを失った世界で生きることはできない

押井×伊藤×川井の鉄板物で物語も現実に対する虚構とは何ぞやといつものやつでクオリティーの高さは間違いないです、最も目を惹くのが低予算故のCGの粗さを利用したゲーム演出が巧みで恐れ入りました。それに加えて主人公アッシュが可愛いので画力が強く画が持っている印象、ボンドガール感満載のラストシーンも華がある故に出来上がっているように見える。
モノクロの活気がない停止した現実から活気に溢れた仮想空間(REAL)に入るシーンは観ている側も現実世界とは何なのかが混乱し判別できなくなる。

予算の都合上仕方がなかったのだろうが他作品と同じように、初め主題歌が流れ繰り返すだけの怠惰な日々のシーンを新規カットを作りあの世界を描き切っていれば傑作になっていただろうと思うと、作られた事情が悲しく惜しい作品である。