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スラムドッグスの一人旅のレビュー・感想・評価

スラムドッグス(2023年製作の映画)
4.0
ジョシュ・グリーンバウム監督作。

アニメ映画を共同で手掛けてきたフィル・ロードとクリス・ミラーの仲良しコンビが制作したコメディ映画で、飼い主に捨てられた犬の冒険と復讐を描きます。

クズ野郎の飼い主によって都会のど真ん中に捨てられ野良犬となってしまったボーダーテリアのレジーが、先輩野良犬のボストンテリア:バグとセラピー犬のグレートデーン:ハンター、紅一点の美人オーストラリアンシェパード:マギーと共に元の飼い主に復讐を遂げるべく冒険を繰り広げていく様子を描いた“ワンちゃんコメディ”です。

ほのぼの心温まる動物映画ではなく、人間に酷い扱いをされた野良犬たちの復讐行を過激に描いたお子さま鑑賞NGの犬映画となっています。全編にわたって大量の排泄ネタ&交尾ネタが盛り込まれていますし、森の中の毒キノコを喰って集団トリップ→野ウサギ家族惨殺のくだりは笑えないほど悪趣味なブラックユーモアをかましてきます。

『HACHI 約束の犬』(2009)や『僕のワンダフル・ライフ』(2017)といった犬と人間の絆を主題としたオーソドックスで人間に都合のいい犬映画とはあえて真逆の作風で、人間に復讐を誓ったヤサグレ4匹の珍道中を犬同士の友情と絆を軸に過激&コミカルに活写した完全にアダルト向きの逆張りワンコ映画となっています。犬たちが喋る時の口元の動きこそCG処理ですが、それ以外のシーンでは基本的に犬たちが実際に演じていて、主演4匹の人間顔負けのナチュラルなお芝居には目を見張るものがあります。
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