海猫

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーの海猫のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

救いのないホラー映画はただもう怖いので私はあまり好きではないのだが、これは本当に怖かった。少しも勿体ぶることなくいきなり霊が現れるところがこれまでにないと思った。なのに妙にリアルで怖い。
怖いというか、起こったら嫌だ、という感じ。現実世界で起きたら嫌なことが詰め込まれている。
冒頭で刺されたお兄さんが生きていたことに驚いた。あと首を刺されても生きてたお父さん。ライリーも結局元気になったし、そう簡単に人を死なせない造りにしたのだろうか。これもホラー映画としては珍しい。
主人公ミアの視点で見ると終始ダークで怖いホラー映画だが、ライリーが救われたことや霊媒師の手がまた別のグループに渡ったことなど彼女の周りの世界は彼女の死の後も動きを止めない。
なんだか現代の空気を反映しているように感じた。個人が独りの空間に籠ってしまい、周囲との関係を断ち切り偏った視点で自己完結させてしまう。
この映画では死者と手をつないで悲劇が起きたが、誰かと手をつなぐということはそれだけ深い意味があることなのだと思った。
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