このレビューはネタバレを含みます
今年はあと何回映画館に行けるだろう…ここにきて今年一番の映画観ちゃった。
泣いちゃった。
🎒
本作は言うまでもなく黒柳徹子のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」のアニメ化なんですが、いわさきちひろの装丁のあの本ね的認識しかなかったので、序盤はなんとなくそんな気はしてたけどやっぱり道徳的な話なんだなぁって、美しいアニメーションに酔いしれながら安直に観ていたんです。
昭和の裕福な家庭、自由が丘の街並み、子どもの想像の世界とか、柔らかくて鮮やかなタッチはトットちゃんというキャラとマッチしていて観ていて心地いい。
定型外の教育に対しては、これいいの?こんな描写いいの?ってそれでも平常心で鑑賞してた。
だけど、そんな鮮やかな日常を蝕む戦争。
でも子どもだから、お友だちと一緒にいる方が大事で、食べ物がなくなっていってもきっとどこか大人の世界のことだと感じてたんじゃないかな。
なのにそんなお友だちを病気で亡くした事でトットちゃんの中の死がはっきりした途端に、自由奔放な一人の女の子にとってとてつもなく残酷な光景があった・・・葬儀場から駆け出して目にした戦争の残酷さ。あんな描写の仕方はじめて見た・・
ペットのロッキーが供出され、パパも出征して、学校でのお別れ会。
疎開列車の中でトットちゃんはきっと、皆んなにまた逢えるからその時はどんなお話しようって思ってるはずだわ。
映像は、アニメーションでしか表現できないんじゃないかというようなシーンが多くて惚れ惚れする。
説明しすぎないし、わざとらしくない。
これは、奔放で個性的な子どもたちの受け皿であるトモエ学園と、トットちゃんという女の子が見たもう一つの戦争のお話です。