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ミッシングのmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.2
押しつぶされそうな悲しみ、娘を想うそれぞれの気持ちの微妙なずれが爆発しそうなほどのイラつきになり、痛いほどに観客に刺さる。
それぞれの気持ちがわかるだけに遣る瀬なくてイライラしてずっと辛い。ずっと胃が痛い。吉田恵輔監督の集大成的作品にして最高傑作。

6歳の娘が突然失踪した夫婦。悲しみに暮れながらも発見のためのビラを配り、少しでも情報が集まればとドキュメンタリー番組に出演するが……。
どうにもならない出来事、報道番組の裏側とテレビマンの想い、最後に娘と過ごした妻の弟の気持ち……。
すべてが心に痛く刺さる。
それでもほんのわずかな希望のラスト。

石原さとみは心配していたのが申し訳ないほどの苦しみの演技。いわゆる熱演打ち出されたら覚めるタイプなのですが、そこを超えて胸に迫るものがあった。
難しい弟役を演じた森優作も素晴しい。