おっさんずラブの盛り上がりにより、BL作品へのハードルが下がった印象を受けるが、この作品ほど純粋に、男性同士のピュアな恋愛を描いたものは珍しいのでは。
正直、大きな事件は何も起きません。
でも、恋愛ってそんなもんだよなぁと懐かしく温かい気持ちでいっぱいになりました。
ゲイだと自覚しながらも、これまでお付き合いをしたことがない30代男性が、恋心を抱く自販機の補充員との恋を育んでいく様子が丁寧に描かれています。
主演の松田凌さんの演技力は一見の価値ありです。募る恋心とゲイという性指向の狭間で葛藤する様子が、目の表情と声色で繊細に表現されています。正直、お芝居と思えないほどの自然な演技に驚きました。
音声やセット、ロケーションなどに低予算感が否めませんが、主軸となる3人のお芝居が素晴らしいのと、エンドロールで流れるヒグチアイさんの主題歌が本当に可愛くて、何度でも繰り返し観たくなる作品でした。
