Ryo

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語のRyoのレビュー・感想・評価

3.6
ウェス・アンダーソン監督の短編映画。透視能力を手に入れた金にがめつい男の生涯を入れ子構造を多用し、メタフィクションみをたっぷりに描く。

登場人物全員が早口言葉のように台詞を捲し立て、早回し気味に物語は進む。加えて児童文学さながらの口当たりの良さがある。透視能力を得る過程は中島敦の「名人伝」を読んでいるかのようで、守銭奴があるきっかけで改心していくストーリーは「クリスマス・キャロル」に通じる物がある。

難解な作品が続く昨今のアンダーソン作品の中でも鑑賞しやすい印象で、特に「グランド・ブタペスト・ホテル」や「ムーンライズ・キングダム」が好きな方にはお勧め。
Ryo

Ryo