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キリエのうたのtsubame737のレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.9
岩井俊二作品にしては私と相性が良い。
青白い光を見ると岩井俊二作品だなって
風景や天気や照明や服装で時代と場所を描き分けているのは流石、混乱がない。広瀬すずを筆頭に女優を魅力的に撮れているのも流石。
商業映画として黒字に持っていく気を感じさせない上映時間3時間も流石

本作は女性であることを武器にせざるを得なかった人々の話なのかなと感じた。
アイナ・ジ・エンド演じるキリエと妹は仕草や話し方が幼いというか、ぶりっ子のそれ。キリエが大地震の直後に自転車に乗りながら、潮見と自身の関係性を確認するのは離別を覚悟したからなのかなと思った。しかし、彼女は自転車に乗りながら明後日の方向を見ているのである。実はキリエと妹についてはもう一つの解釈も思いついたが、だとすると潮見はもっとクズである
しかし、本当に救いがない。キリエの妹は生活感がないし、生きる目標も感じさせないし、さらに絶望感が増すのだ
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