あーちゃん

PERFECT DAYSのあーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分の能力でやれる範囲の仕事を精一杯全うし、必要な分だけのコミュニケーションをとり、些細な日々のきらめきを愛で高貴なる疲れを癒す姿は、過去でも未来でもなく今と向き合い今を生きるという現代人が手放してしまったスロウライフの具現化って感じで、まさに Feeling Good の歌詞そのものみたいな映画だった
彼の望まない形だとしてもルーチン化した日々のリズムを時々乱されるタイミングがあるのは、他者と関わりを持ち社会生活を生きているということの確かさでもあり、豊かな孤独とはこういうことなのかもしれないなと思った
慎ましい生活を彩る美しい音楽や文学とともに自転車で己のセーフティゾーンを彷徨く彼のライフワークは、一人間が心身共に健康的に生きるためのお手本のようで、金がないから愛も得られないなんて嘆いてるだけで物事の価値を測るモノサシが金だけでしかない浅はかなヤロウは、きっと大金を得ても本当の幸せなんて得られないと思う
ニーナシモンの重くて甘いバニラみたいな歌声に当てられてしまいボーッとしていたら、地下鉄に乗った瞬間買ったばかりのパンと煙草を映画館に忘れてしまったことを思い出した
人生とはこういうことの連続なのよね、を体感したわたしの休日でした