taka

PERFECT DAYSのtakaのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
しみじみ感がハンパない

渋谷区のトイレPR映画とか企業案件と言われようが良いものは良く、台詞も最小限で明確なストーリーも無いのにここまで没入させてくれるのは凄いのひと言

主人公、平山のレトロ趣味に若干の作為を感じるが、カセットテープ、文庫本、フイルムカメラ、鉢植え、それぞれが素晴らしい小道具として機能していた
それらはルーティンとして昔からずっとしてきた事だとわかるし、そのミニマルかつミニマムな事柄が平山を形成し小さな歓びを与え続ける
トイレ清掃という仕事に誇りを持った丁寧でプロフェッショナルな仕事っぷりも見ていて大変気持ちが良い

個性的な登場人物たちも豪華で多彩
各々のエピソードは掘り下げられないので想像するしかなく、平山自身のこともおぼろげながら分かってくるがやはり深くは教えてくれない
観る人によって濃淡のグラデーションが変化する写し鏡の様

選曲も素晴らしかったが訳詞があれば尚良かったか
ある女性に刺さったパティスミスのレゲエ曲は意味ありげだったし、ラストシーンのしみじみ度合いも変わってくるか
そしてそのラストシーン、自分的には「横道世之介」の吉高由里子、「パール」のミア・ゴスと並ぶくらい好きかも

下北沢のレコードショップは実在するのかな?
今度持って行ってみよう笑
taka

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