麩

PERFECT DAYSの麩のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.0
平山と生活圏が被り過ぎてて行きつけの中華屋やスーパーに平山がニアミスしてるのにニヤニヤしちゃった
役所広司がうちの近所を通ってる…という嬉しさ
物語は完全なるファンタジー。一見すると日本の独身貴族のささやかながら美しい暮らしの営みといった感じだが「そんな事あるかい」な出来事の応酬。平山が行く先々で女にモテる描写、きもい。
平山に向けられる悪意も好意も直線的すぎる。昔の人が書いたんだなという感じがすごい。昔の人が思う理想郷。現代人に描写させたら絶対こうはならない、こんなにも主人公に都合のいい世界には。
実際には渋谷区をはじめとした東京都心部ではホームレスは排除されており(バス停で休んでただけの家なき女性が殺された事件もありましたね)、田中泯のようなホームレスと、きゃっきゃと遊ぶ親子連れが共生する公園など渋谷区にはない。ホームレスが踊る自由は都心にない。そういうプロパガンダ的な胡散臭さや書き手の掲げる理想の古臭さは残るが、なんにつけても美しい映画でした。
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