くま

PERFECT DAYSのくまのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

パーフェクトデイズ感想

箇条書きである。


まず、日本人の撮った映画ではないが、そこに
リアルすぎる東京があった。
日本映画の色味ではなくて、リアルなんだけど、是枝監督とかみたいな感じとはまた違っていて、
とにかく今回の映画の東京は華やかな東京でないから、
東京のあの乾いた、くすんだような雰囲気を感じれる映像がよかった。
そしてだからこそ、木漏れ日とか部屋にさす夕方の光とかがより鮮烈に綺麗に感じ取れるんだよね。
映画の色味も日本人的な感じとは違う、西洋的な色味で新鮮だ。

東京に住んでる、もしくは住んでいた人には本当に
リアルな東京だったと思う。
そこは住んだことのない人よりも深くこの作品を
感じ取れたように思うな。

役所広司の沈黙の演技がよかったなぁ。
仕事は行きすぎたほどに丁寧にする。
1日、1日をひたむきに新鮮に生ききるっていう、
そういう視点は今の自分にはよく響く。
毎日の仕事にここまで向き合えているだろうかと、
それと柄本時生のタカシも憎めないけど、頼りないし、
不誠実にも映るんだけど、彼の中では必死なんだろう。
これは自分なんかを上の人たちが見てるとこんな感じに
映ってたりするんじゃなかろうかと、大いに反省するよね笑
良くも悪くも今時の若者、先が全く見えてない感じとか。
人から何かしてもらうの当たり前みたいな。
きちんとしたお願いもできない。
でも、彼は悪人ではないから、恐らくダウン症?の
ハンデを抱えた男の子に対して普通に接することもでにるし、本当その辺等身大の平成、令和の若者って感じ。
仕事も唐突にやめてしまったから後に残された人の気持ちとしては
おいおい、なんだけど彼の中にもやめるまでに色々あったんでしょう。

それと平山さんは聖人でもないし、最低限のことはやりきるけど、
出来ないことにはノーとハッキリ言う大人なんだよね。
でも、悩んだり、嫌なことがあっても楽しい方向に向ける。
そういう思考の方向転換能力がすごい。
ただ、これは色々な経験を得て、捨てていったからこその
今なんだろうなと。
トイレの清掃のやり方とか日常のルーティンとか。

自分も早く10年くらい続けられるようなルーティンを作って、
自分を大事に、毎日を新鮮にやっていけるようになりたいな。
そうすることで変化が楽しいものだと思えると思うし。
慌てないですむ。

何かたまたま最近知り合った平山さんて人を見たそんな映画で
過去も詳しく語られないから余白しかないんだけど、
日常を生きててもそんなもんよね。
案外身近な上司のこととかで普段の生活とか詳しく知らないこと多いし笑

みんな違う世界を生きているんだけど、人と関わるってことは
相手の世界に入るってことだし、自分の世界に
入ってもらうってことだと思ってて、夫婦なんて正にそう。
別の個体だったのが一つの家族って組織になるんだからね。

それを改めて考えさせてもらえたな。

日本人は大乗的でアンパンマンみたいな自己犠牲を厭わず、
慈しみを持って人に与えることができるってところが
あると思っているがあくまで西洋的小乗な感想を抱く。
それは文化の違いであるから良いとか悪いとかではないので悪しからず。

外国の方を通した日本により、日本人が抱く
生活の豊かさとはってことが見えてくる。
くま

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