食は人生の歓び。
細胞レベルで好きな映画だ…邦題と予告で損してないか？
料理シーンが本当に素晴らしく、フィクションとは思えないほど精度が高い。
接写なしのワンショットでいくつもの料理を並行して調理する、流れるような手際の良さが本当に心地よいのだ。
音にしろ映像にしろかなり広範囲を写し出しているのが印象的だ。年季の入った調理器具や体に沿ったエプロンなど、すべての物から歳月と腕前が感じられ、音からは豊かな風土を想像する。音楽を一切加えない、ありのままの調理音や自然音が味を引き立てる。何もかもが美味しく、美しい。
映画という短い時間の中で、ひとりの人間の愛と人生をどれほど如実に描けるか。人間愛と、暮らしを支える全ての料理人への賛辞に満ちた尊い時間だった。
味わい方も訓練しだい。
雑に生きてるなと感じる時にまた観たい。
ジュリエットビノシュの歳を重ねた美しさに憧れる。
