めめめ

落下の解剖学のめめめのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「日本版ポスターに騙されて犯人探し系ミステリーと思ってはいけない」と前情報で心得ていたので、純粋に裁判モノとして楽しむことができた。
まるでドキュメンタリーのように、まるっと裁判を記録した作品。
それ以上でもそれ以下でもない。
だからこそ本当に陪審員のような目線で見ることができ、予想以上に引き込まれた。
結局真実はわからない。
でも単なる口論一つでも「あぁ、この夫、頭悪いし精神不安定だな」とやんわり思わせる台本は凄いし、やっぱり奥さんは手をかけていないんじゃないかなぁ。と、観客に何となく思わせる演出だったよね?
それにしてもマリッジストーリー然り、こういう「リアルで長尺の喧嘩」とか好きよね、アカデミー!笑
あと私が見た今年のアカデミー関連の作品、9割くらい、主人公がLGBTなんだけど、さすがにちょっと偏ってないか?とは思った🧐

事実が何にせよ「一つの結論を決めなければいけない。それが裁判」と悟った息子が、「最後に一ついいですか?」って言って、あの車の中でのエピソードを話すのめちゃくちゃかっこいい。
あれ、よく考えたら別に事件に何にも関係ないけど、息子が意味ありげに話したら陪審員は心動かされちゃうよね。
これまで目が見えず母に頼ることも多かったであろう彼が、今度は自分が母を救おうと腹を括った瞬間だったんだと思う。

きっとここまでアカデミー賞にノミネートされているからには、私が気づいていない凄いところもたくさん隠されているんだと思うので、色んな考察を読むのが楽しみ。
めめめ

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