冒頭から犬を追うカメラ
この犬、何かありそうだな
と思ったらビックリする名演
夫の転落死から事故か他殺かを
争う法廷劇ではあるのだけれど
関係が拗れていた夫婦の実態を
暴いていく側面の方が大きい
物的証拠も無いまま検察側は
小説家であるサンドラの性的嗜好から
決めつけ裁判のような様相を見せ
楽しんでいる感がちょっと不快
そして視覚障害がある息子のダニエルが
証言者として裁判に巻き込まれていく訳だけど
物哀しい感じの少年だったのが、ある瞬間
「もう傷ついている」と言って覚悟を決め
えっ何しちゃってるの?という行動に出る
うわぁ、何か説得力ある
でもどんな心理状態なんだろう?この子は
と一番解剖し切れていないようにも感じる
そして真実は藪の中
犬のスヌープ
やはりカンヌでパルムドッグ賞を受賞したのね
彼が誰よりあの鋭い目で人間たちを観察して
自らを犠牲にしながらも
共犯関係を築いていたような気がする
あとザンドラ・ヒュラーの
癖も澱みもない英語にビックリした
夫が英語での会話に不満を漏らした時
「私だって母国語じゃないのよ!」と
言ったのはしてやったり