ゆう

関心領域のゆうのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.0
固定カメラなので演技の見せ場であろう場面でも役者の表情にズームアップせず本当に看守長の家族や生活を間近で見ているような気持ちになる
これは過去の事件で他人事ではなく今に繋がっている事にフォーカスしているラストの演出が新しかった

ユダヤ人が虐殺されている事に徹底して無関心な妻・罪を自覚しつつ妻に怒られるのが嫌で考える事を放棄している夫・幼いながらに異変を感じている子どもと、看守長の家族のなかでも皆違う思いでいる

作中で道を通りかかったユダヤ人が食べられるようにとリンゴを埋める少女が出てくるが実際にそういった事をした人物がいたと試写会で聞いた
どんな地獄でも救いになるような人はいると思った一方で、作中ではリンゴの奪い合いでユダヤ人が暴動を起こし殺される為報われない善意に悲しくなった
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