レナ

四月になれば彼女はのレナのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作既読者です。出演者の演技力で+0.5しています。佐藤さん、長澤さん、森さんは求められる演技を十二分に出来ていると思います。特に森さんは、年齢が一回り違う2人と同じ存在感を求められる上に、作品の雰囲気を担う役なので大変だったでしょうけれども、ナレーションや演技がとても素晴らしかったです。森さんは原作の春を超越して世界観を築いていました。出版から数年経っていますが、彼女を起用できるまで待ったのかな?と思うほどでした。

ただ、メンヘラ女2人に引っ張られる主人公(男)みたいな話になっていて残念でした。脚本が大戦犯です。今作は、藤代ー弥生、春ー大島の2つの恋愛を描いたら大ヒット間違いなしだったと思います。個人的に大島は成田凌さんのイメージなので仲野太賀さんじゃ合いませんが、森ー仲野でいっそ描けばよかったのにと思います。
メイン3人以外の役を全て消してでも大島だけは必要だったと強く思います。藤代と春が引き裂かれる出来事はそのまま実写化すべきだったしそれを見たかったです。

弥生と春が合うシーンはオリジナルですよね。弥生の行動は正直怖いですwww映画の描き方のせいで春もメンヘラっぽく見えますが、弥生もさらにメンヘラっぽいです。本当に「え?」と思った人には原作を読んでほしいです。

原作はインドで藤代と弥生が会うところで終わった気がしますが、そこの改編は良いと思います。でも大島を消してオリジナルキャラクターをぶっ込むのはちょっと...。しかも共依存している春が大病なのに父親はどこに行きました?w竹野内豊さんはお若く見えるので亡くなったとは考えづらいですよね。キャスティングも甘いです。

本作の雰囲気を形作る春が「あなたのことを好きだった頃の私に会いたかった」と言っていたり、弥生のキャラクターを考えると、主題歌はもう少し未練タラタラソングで良かった気がしますw藤井さんの歌は綺麗すぎると思いました。そんなに綺麗な話じゃないですよねw

主題歌以外の劇伴が大きいことにとても気になりました。無音の方がましな部分も多いです。脚本が拙い分、音を出さずに出演者の演技力に任せるシーンを多く作る方が良かったのではないかと思います。
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