ももいろりんご

湖の女たちのももいろりんごのレビュー・感想・評価

湖の女たち(2023年製作の映画)
3.3
松本まりかと福士蒼汰の耽美で倒錯した世界を満喫。
映画の納得度合いはナンだけど、満足。
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湖の近くの介護施設で100歳の寝たきりの老人が殺される。捜査担当の刑事・圭介と伊佐美は、施設の介護職員らを執拗に取り調べる。
事件を追う週刊誌記者の池田は、この事件がきっかけで、過去の隠蔽された薬害事件を調べ初め、さらなる闇と深淵をみてしまう。
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エンドロールを見て驚く。
原作が吉田修一だった😅
同日公開日の吉田恵輔監督作ではなく、こっちに惹かれたのに納得💦
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ただ…わかりにくい。
説明が少なめで、感情や人となりを掘り下げるシーンもない。感情移入できず、作品に入っていけない作り。え、これはなぜ、どうしたの、どうなってるの…各シーンの点は理解できても、点と点が線になっていかなくて、もやもやします。
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圭介と佳代(松本まりか)が特殊な関係になっていくところなどは見どころの一つだけど、おかげで唐突に見えてしまった。男は支配することに取り憑かれ、女は命令を聞くことに安心する、それだけなのかもだけど、んー、リズムが悪い。(うまく説明できなくてごめんなさい)
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圭介と伊佐美の過剰な取り調べは、レビュー書いたばかりの「正義の行方」を、色っぽい松本まりかをみると「ブレインウォッシュ」がチラつき、施設でのお年寄りの殺人で”優生思想”となれば「月」を思い出す。
実は社会問題散りばめ、肝は追い詰められていく男女。「悪人」と同系統にも思えたが。はて。
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犯人なんて仕立てればいい風なパワハラ全開、先輩刑事の浅野忠信、脅迫、恫喝まがいの取り調べに憔悴していく財前直見、ともに素晴らしい👍
記者役の福地桃子とあの三田佳子のシーンが好き。この映画の核のテーマ。美しい空間と印象的な会話だった。
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チグハグだね。映画もレビューも。書いてたらもう一度観たくなったけど、配信が来たらにしよう。