やむちゃ

犯罪都市 NO WAY OUTのやむちゃのネタバレレビュー・内容・結末

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

備忘録
2024.3.20 なんばパークスシネマで鑑賞。

マ・ドンソク主演の人気シリーズ第3弾。
前作に続いてイ・サンヨン監督が続投している。

主人公マ・ソクト(ドンソク)が、新種の合成麻薬を扱う日本のヤクザと、それに加担する韓国の悪徳刑事と戦うお話。

ほんとに何も考えず(ホメ言葉)に楽しめる娯楽作品だった。
マ・ドンソクなので、「敵にやられるかも」と心配する必要もない。
ドンソクのアクションは、柔道の投げなども使っていた前作までと比べ、完全にボクシングスタイルに振り切られている(冒頭で「目標がボクシングだったのが途中で警官に変わった」とのセリフまであり)。
金属音のような効果音のパンチで相手が吹っ飛んでいく様子は、このシリーズのお約束で観ていて楽しい。

日本から青木崇高、國村隼(特別出演、さすがの存在感)が悪役として参加。
青木崇高は、日本刀を使った凄腕の殺し屋リキ(力)役で強いインパクトを残した。
が、このシリーズは狂人のような敵が多いので、1・2作目のような”何をしでかすかわからない”怖さは、若干薄めな感じだった。
悪徳警官ソンチョル役のイ・ジュニョクも、なかなか非道なキャラではあるが、怖さという点ではやや弱く感じた。

シリーズのお約束のコメディ要素もちゃんとあって、真顔のドンソクが回転ベッドで回るシーンなど大笑いしてしまった。

主人公がソウル広域捜査隊に転勤している設定なので、前作からチームの顔ぶれが変わっているのが少し寂しく感じた(ラストのチャン・イス登場は嬉しかった)。

日本のヤクザがたくさん登場するが、エンドロールを見ていると日本人の出演者はかなり少ない。
その割に日本人の描写や日本語のセリフに、さほど違和感を感じなかったのは、制作陣がしっかりしているのだろうなと思う(若干カタコト感はあるが…)。
リキの子分に総合格闘家崩れ(マッハ)がいるが、古くはPRIDE、少し前ならアウトサイダー、最近のブレイキングダウンなどで、日本の反社はそんなイメージなのかなぁ(韓国も総合が盛んなイメージだけど)。

鑑賞後にふと思ったのは、素手で戦う主人公で、ボスキャラ以外はほとんど一発で倒してしまうマ・ドンソクは、映画的にはブルース・リー以来のキャラクターなんじゃないかという事。

シュワちゃんやスタローン演じるキャラや、日本や中国の時代劇など、銃や刀を使う主人公ならザコキャラを一発で倒すのは普通だけど、ボクシングであれカンフーであれ、素手の場合は少なくとも何手かやり合いがある場合が多い(特にジャッキー・チェンなんかはけっこう長く闘う)。
そう考えると、マ・ドンソクはかなり画期的なヒーローなんだなと感じた。
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