マサミチ

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のマサミチのレビュー・感想・評価

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原作は未読だがそもそもお話として破綻してる。

いきなり戦時下にタイムスリップして来た百合を特攻隊員の彰にしても食堂のツルさんにしてもなんの疑いもなく受け入れたのは、戦災孤児として考えたのか?と強引に解釈出来なくもない。

しかし百合は現代に戻ろうとほとんど何も考えずに戦時下の生活を送るのが意味不明。

タイムスリップ物としてもこの時代から見たら未来人であることを何故に彰に打ち明けないのか?

例えばスマホなんか未来人を示すアイテムとして活用できるのに、あまりにも脚本がお粗末。

それと時代考証として、あんなに町の中や軍人の前で戦争批判をしたら女性でもすぐに特高に捕まって拷問されてヘタしたら殺されるだろ?

それから特攻隊員が出撃前夜に逃げ出すのを隊員たちが見逃す場面があるが、敵前逃亡は銃殺だし周りの特攻隊員も連帯責任取らされる可能性だってある。

もうこうゆう場面にシラケてしまうのだ。

木下惠介監督が昭和19年に作った【陸軍】
とゆう映画があるのだが、出征する息子を追いかけて母親が群衆の群れをかき分けて走る姿を映しただけで軍部からけしからん!の声がかかり、木下惠介監督は終戦まで映画を撮れなかった、そんな時代なのだ。

そもそもお互いに惹かれあっているのならば出撃の前夜に結ばれる描写を描かなければ悲壮感が出ないと思う。相手は未成年の高校生だから倫理的にマズイだろうが。高倉健さん主演の【あ・うん】なんかそんな場面ありましたね。

かつて戦争があった事すら大して興味無い女子高生にした方がもっと面白味が出たと思うんだが、この程度ではまるで買いません。


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