柊

哀れなるものたちの柊のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
誰もが納得する作品では無いと思うが、監督らしさが全開で溢れんばかりのキテレツさで最後まで攻める。
相変わらず俳優の使い方がエグイ。でもエマ、ストーンどの作品よりも初めて良いと思った。
出てきた時にウィレム・デフォーのツギハキ顔に思わず笑ってしまう。
そしてとにかく衣装が圧巻。
あの小さなトランクには到底詰め込めない数のドレス達。リアル感は求めてないからオッケーです。

世界観が独特すぎるんだけど、何故か畳みかけるような展開が何とも言えない。この世界観の中にほんとはバリー・コーガン出して欲しかったな。

アブノーマルでありながら、再生されたベラの存在を肯定してしまう。
と言うのも大人の姿形でありながら、乳児の脳を移植されたが故に、ピュアな成長を見せるベラの行動はとても人間の本質をついてたりする。
好奇心の塊のようなベラが起こす行動は、正しい。でも大人になるとそうはいかない。だからこそベラの存在が尊く感じてしまう。

もちろんこの世界観が許せる人に限るのだろうけど。私はとても楽しめた。
柊