柊

あまろっくの柊のレビュー・感想・評価

あまろっく(2024年製作の映画)
4.0
あまろっく全然知りませんでした。
まるでフランスのミディ運河みたいだ。あちらは全長も長いので7段運河になっているけれど,理屈は同じ。日本にもこんな設備があったとは…尼崎,ヤンキーがジャージ履いてる街だけじゃないんだ。見直しました。そしてこの言いぐさ、地元の人ごめんなさい。

初めはあまり期待値あげないで鑑賞。だって,どう考えても中条あやみが鶴瓶に逆アタックってむしろファンタジー。
でもだんだん,そんなことがあったら世の中捨てたもんじゃ無いって思えてきた。
それくらい3人の関係が人生のおまけのように心をあったかくしてくれる。でもそのうちの大事な1人が急逝。あんまり早くてびっくりしたくらい。ここでのフェイドアウトは想定外。

土地柄人情深いのだろう。そんな中で杓子定規な優子は小さい時から優等生でよくできた子。それ故に生きづらさを抱えて,人との関係が上手く作れない。だから結果リストラされてしまう。でも根が悪いわけではない。その証拠に子どもたちは先生よりも優子に宿題を教えてもらおうとする。
そこに飛び込んでくる20歳の継母。この時の優子の反応はまさにスクリーンで観ている私達の心の声そのもの。こういうリアクション本当に上手い。年齢が逆転している義母と娘の生活がお互いの足りない部分を埋め合わせるように寄り添いながら夫の死,父の死を乗り越えていくところが出来過ぎとは言え、映画なんだからこんな風に展開してくれたら観ているこっちも嬉しくなる。
優子の不器用な恋愛も絡めて、悪い人が誰1人いないので安心して観ていられた。
エンディングも赴任を辞めてそうきたかという展開はむしろ結果オーライで安心した。
柊