白黒の世界とカラーの世界のコントラストが良い。今まで閉じ込められてた世界、２色しか知らない世界と彼に連れられて出ていく新たな世界では全てが新しく、ビビッドで驚くほどカラフルな色使い。それはベラの心情とマッチしているのかなって個人的に思った。
人間がはじめて学ぶ感情をベラと共に一緒に学んでいる感じがした。やだ、楽しい、苦しいなどの表情が最初は本当に子供そのもので、ベラの目を見たら一発でどういう感情かわかるけど、その後成長していくのちにどんどん表情が読めなくなっていく感じが、さすがエマストーン様だと思った。その演技にとても魅了された。
あととにかく音楽が盛大でそれに度々揺さぶられている感じがした。よく人は聞く音によって心臓のビートを決められて不安定になり、気分が悪くなるというけど、盛大な音楽と不穏でマイナーなメロディによってなんとも言えない不吉な方向へ心臓が持ってかれる。それがなんとも不快。いい意味で。
あと度々のシーンで魚介レンズを使うことによってあくまでもこの見てはいけない不条理な世界を私たちが覗き込んでいる、盗み見しているような錯覚に陥られ、これまた悪い方向に引っ張られていく感覚に襲われる。
あと和訳がめちゃくちゃ天才的だなって思った。熱烈ジャンプとかウィーとかも頭に残る、あとで思い出したらクスッと笑えるもので、世界観ともマッチしてるなって思った。
だけど結局は負の連鎖な気がして、ああ全員哀れだな、復讐も兼ねてだろうけど、自分がされて最高に嫌だったことをまた学ばずに繰り返してて、人間って愚か者だなって思った。
私も嫌いな人がいたら山羊にしようっと。
