Erinaえなり

哀れなるものたちのErinaえなりのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後までグリム童話のような可愛らしさと不気味さが共存した雰囲気。空や街や家具のがどれも素敵で、一コマ一コマ美術館に飾りたくなるシーンの数々。クスッと笑える部分や結構グロいシーンやエッチなシーンもあった。
胎児の脳を埋め込まれた大人の女性の目に映る世界はあまりに激しく、美しく、悲しい。それを真っ直ぐに、まさに体当たりで克服していく主人公の強さに感動した。
特に娼館で働くときのベラはすごく大人になったな〜と感じさせられた。嫌なプレイを避けるためにお互いのことを話してからプレイをしたり。身売りは女性が金を稼いで自立するためのものであって、変に卑下される存在ではないという彼女らのスタンスがカッコいい。
哀れな境遇から始まったベラが、他の哀れな者たちを炙り出しながら成長していく過程をワクワクしながら追体験した。
1人の人間、女性として生きることのの苦しみも面白さも素晴らしさもギュッと濃縮された映画だった。
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