ロアー

アイ・アム・ディナ 性に憑りつかれた女のロアーのレビュー・感想・評価

3.5
あらすじを知らず「小公女」のような話かと思って観始めたら、もっとずっとずっとハードなお話でした。冒頭からいきなりディナのせいでママが事故死。みんなの悲鳴や苦しむママの顔が開始5分にして最高に怖かったです
その後、屋根裏に閉じ込められてしまったディナが四つん這いで迫ってくるシーンも怖かった(※注:ホラー映画ではありません)。

もはや野生児のように育ったディナが、唯一関心を持ったのが家庭教師の先生が弾くチェロ。人間らしさを取り戻して先生に懐くディナがかわいかったし、この先生が変わり者でちょっと好きなタイプでした。

・・・なのに。
幸せはそう長くは続かないものです。

とにかくディナの人生が壮絶で作品にぐいぐい引き込まれたものの、観るのにホント体力が要る映画でした。ディナの周りの男たちがバタバタ死んでいくので、男たちを支配しているディナが死と愛を司る女神のように思えてきます。

マッツの役はディナの夫の息子ニルス。つまりディナの義理の息子です。最初はクールなキャラだと思っていたのに、遺産の件で感情を表してからはイメージが崩れて、最終的には"泣いて荒れて生肉を殴るマッツ"という珍しい姿が観れました。ここまで感情をむき出しにするシーンが今までの役にはなかったので、ある意味、マッツの確かな演技力を最初に感じられた作品だったかも知れません。
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