センチョウ

変な家のセンチョウのネタバレレビュー・内容・結末

変な家(2024年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

最後のお母さんとお姉ちゃんが会話するシーンで左手供養を続けようとするところが一番怖くてよかった。ホームレスのボランティアに行ってるのお母さん、何気にすごいな、と思ってたのにこのオチかよ。
ただ一方でそこまで、「左手供養」という儀式を続ける意図がよくわからなくて、そこは個人的には微妙だった。
左手供養を行うことで流産し、精神に変調をきたし亡くなった女性の霊(?)を鎮魂するということはわかる。
霊媒師の言っていることの是非を言ってもしょうがないし、不吉なことが起きた際に祟りとして何かを捧げて霊を鎮めるというのも聞いたことはある。
太宰府天満宮も菅原道真に対する鎮魂の意図もあるはずだ知らんけど。
だから、少なくとも亡くなったのを目撃した人からしばらくの代の間はそういう儀式が続くのはわかる。
ただ現代においてそういう儀式を続けないとダメだ!と思って実行するのは、色々な意味で心理的なハードルがとても高いのではと思ったので、そこに違和感を持ってしまった。
スマホを始めとして情報ツールに囲まれて生活している中で、自分が左手供養をしないと不幸になる、と信じるのは難しいんじゃないかな。
もちろん作中で言われているように、「左手供養をしないといけないと思い込む呪い」にかけられていると言われたら、そうだし、形は違うものだが、私たちも色々な呪いをかけられて生きているとは思う。
霊的なものに理屈を求めるのはおかしいのはわかるが、例えば、どっかの病院や葬儀屋に事情を説明してもらって、左手をもらってこいよ、とかは思わなくもない。できるかはおいといて、まだそっちの方が心理的なハードルは低いでしょう。
自分がホラー映画をあんまり見ないせいかもしれないが、そういうしょうもないツッコミが気になった。