土平木艮

パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜の土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

●予告編から予想された内容と少し違った印象を受けた。これも『良い意味で裏切られた』作品。

●ありきたりな『主人公、一生懸命頑張って夢を叶えました』な作品と思ってたけど、違った。

●主人公が『良い子』ではなかった。『見た目がイケメンで、パティシエを目指してる』って設定で騙されてしまうけど、実はなかなかの荒くれ者。

●でも、荒れるのにも理由があって『移民の子』『父親不在、母はアルコール依存症で育児放棄』『里親に預けられた後、児童養護施設で暮らす』等々の問題を抱えてる…そんな主人公。

●里親家族が凄く良い人たち。

●実の母も単なる『毒親』じゃなくて、『移民のシングルマザーとしてツラい立場』で『子供を愛してるけど、関わり方が下手な人』って描かれ方だったので、少し味わい深さが増してた。実際のトコロは分からないけど。

●ラストは、ちょっと泣けた。

●主人公の行動や、その動機が、若干『説明不足』な感じも有り。でも実話だし、本人の著書が原作なので、仕方ない部分もあるのかも。

●主人公が厨房でアイデアを考える時の『周囲が暗転して、主人公だけにライトが当たる』演出が、古臭い感じだけど、かえって新鮮だった。

●どこの馬の骨とも分からない闖入者に『センスあるから』ってすぐにデザート作らせたりするのって、日本人の感覚からすると理解しづらい(映画的な演出なのかも知れんけど)。日本の板場だったら、まず追い回しからだろうな…って感じた。



●フランス映画って、必ず移民問題が絡んでくる。かなり身近で深刻な問題らしい。
土平木艮

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