『バレエは完璧を求めて、
頑張ることができる。
でも、僕らのダンスは違う。
弱さや恐れを乗せることこそが、
良い表現に繋がる』
自分たちが話す言葉に、
色んな種類・表現があるように、
ダンスの世界も、
それは同じ。
何なら、
同じ日本語を話していても、
通じ合えない人もいる訳だし。
そういった意味で、
ダンス表現の多様性や、
その中における
コミュニケーションが
繊細に切り取られており、
非常に奥深い作品だった。
そして、
登場人物の感情も
0か100ではなく、
グレーのグラデーションで
繊細に描かれていた。
バレエしか
やってこなかった少女が
怪我を現実的に
受け入れたように見える場面…
しかし、
見えない将来への不安から、
発する言葉、リハビリ、ダンスも
揺らぎ続ける弱さが
積み重ねられる。
弱さと向き合った先に、
バレエからヒップホップに
舞台を変えて、
新たな自分を
受け入れる決断を下すため、
ストーリー全体を通して
見応えのある内容だった。