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プリシラのhrmのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
3.5
プリシラが14歳でエルヴィス・プレスリーと出会い、28歳で別離を選ぶまでのおはなし。
ソフィア・コッポラのガールズムービーカラーたっぷりに描かれています。
私みたいな60年代ファッション好きにはたまらないビジュアルです。
ストーリーは、1985年に出版されたプリシラの回想録「Elvis and Me(邦題・私のエルヴィス)」がもとになっているとのこと。

14歳の少女と恋愛関係になったエルヴィスが、その当時何歳だったかでふたりの関係性の捉え方がかなり変わると思っていたものの、劇中では明示されず。
終わってから調べたら年齢差は10歳。
親子ほどの歳の差ではなくて少しほっとする。
結婚が決まるまで性交渉も持たなかったように描かれていたので、倫理的なあれこれは「ぎりぎりOKにしてある」という印象。

プリシラの経歴を見るとかなりたくましい精神の持ち主のようで、エルヴィスの死後プリシラ本人の名前で出版されている回想録の内容全てが事実だとは言い切れないのではないかと思い、こんなうがった感想に。
だからこそ、ピュアな少女だったプリシラがスーパースターと恋に落ちたが故に前途多難な若年期を歩むことになった物語としては捉えず(この間にたくましさが鍛えられたのかなーとは思うので、成長ストーリーではある)。
エルヴィスの描かれ方はモラハラDV彼氏/夫の片鱗たっぷりだけど、どっちも大変だったねーと思いながら観ていました。
エルヴィスはエルヴィスで、あの時代をもの凄い重圧の中で生きていたはずだから、どっちが正しいとか可哀想だとか、ジャッジできない。

バズ・ラーマン監督の「エルヴィス」と併せて観ると、より楽しむことができそうです。
「裏エルヴィス」みたいな。
それから、ソフィア・コッポラの過去作で言うと「マリー・アントワネット」の系譜だとの感想を幾つか見かけたので、劇場で観た時以来に見返したくもなっています。
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